一歳の息子との時間は、世間でいう”役に立つ”とは程遠いです。長い目で見ると「一人の労働者を生産中」とも言えますが、実際は公園で遊んでいるだけです。食う、寝る、遊ぶ。糸井重里さんのお陰で、私の日常が言語化されました。でも糸井さんも驚くほどに、本当に食べて寝て遊んでるだけです。
最近気づいた自分の再発見。それは他者から感情を動かされることが苦手だということ。映画でも小説でも「ここで泣きますよ!」「感動シーン始まります」みたいな演出がちょっとしんどいです。涙のタイミングはこちらで決めさせてくださいと言いたい。と言いつつ、手のひらの上で転がされるように泣いているのですが。
それに気づいてからは、遊んでいるだけの時間も心地よく感じるようになりました。滑り台を滑る、ブランコで揺れる、秋晴れでどこからか金木犀の香りがする…以上!感動の涙とは無縁の日常。でもその時間の方が私の頭にずっと色濃く残っています。
その日は家で息子が昼寝をしていました。リビングで寝るときは膝掛けを敷いてガーゼをかけています。私が膝掛けを敷いたタイミングで、息子がガーゼを持ってきました。「そうそう、今から昼寝やで」電気を消してカーテンを閉めて、スヤスヤと眠っていました。
私は不在に気づかれぬようそっと台所へ行き、音を立てずにクッキーを食べました。ムーンライト。箱を開ける時も慎重に。ああ、ビニール袋は難易度が高い。寝返りを打った息子にヒヤヒヤしながら、袋を開けて一枚丸ごと口に頬張ります。音は絶対に立てません。うまい、うますぎる。何袋も食べました。
私の日常はこれです。公園で遊んで、昼寝中にこっそりクッキーを食べただけ。そんな映画があったら見てみたい。こんな映画誰か作ってほしいなぁ。
そんな日常を本にしました。「自分に帰る途中」私の暮らしをまとめてます。