子どもと一緒に出かけるとよく声をかけられます。「何歳ですか?」「男の子?女の子?」「まあ、かわいいね」など。ほとんどが子育てが終了したであろう年配者です。私は簡単に「男の子です」や「一歳になりました」「ありがとうございます」と応えます。自覚はある。世間話は苦手なタイプです。でも、こういうの嫌いじゃないです。
一人の時は声をかけられません。初対面の”39歳女性”に声をかける言葉はないのでしょう。そうですよね、私もそうですから。せいぜい「今日暑いですね」とか「バス遅いですね」です。振り返れば、若い時のナンパもありませんでした。きっと私一人に声をかける理由なんてないのでしょう。
だからなのかな。子どものいる時は”お母さん”として対応できます。ほとんどの人はそうかもしれません。誰がどうみてもお母さんでしょう。同じ顔してますから。そうではなく、”お母さんの仮面をつけて世間と繋がれる”という表現が近いかもしれません。
お母さんの仮面がない私は、一人のおばさんです。ユニクロ着て、西松屋の袋をさげて、パン屋に行くおばさんです。でも子どもがいれば、”お母さん”になって、いつもより存在が濃くなるような気がします。存在の輪郭が濃ければ、それなりに対応できます。知らない人に挨拶するとか、言葉を交わすとか。
ネットでよく見かけます。「子どもを産むと、友人と話が合わなくなる」「ネットに疎くなる」とか、そういうやつです。確かにその一面はあります。実際私もそうでした。出産した友人とは疎遠になったタイプです。まあ、そういう一面もあると思います。でも、目の前にある”世間”は前よりも近くなったと思います。少なくとも、私は。
見えないネットではいろんな意見がありますよね。でもね、目の前の世間はだいたいあたたかいです。泣き声がうるさくて嫌な顔されても、別の人は笑ってくれてます。「赤ちゃんうるさい」は見かけますが「赤ちゃんの泣き声、最高だよね」はあまり見かけません。多分同じくらいいると思うんですが。
私は世間話ができるほど、コミュニケーションが上手ではありません。だから、妊婦さんやベビーカーを推してる人を見ると「私は応援してます!口には出さないけど」って思ってます。心の中で。伝わるといいな、って思ってます。
目の前に世間があると認識できると、目に見えないネットを必要以上に怖がることも減りました。フォロワー数とか、レビューとか。いや気にはなるけど、それよりも「かわいいねぇ」と言ってくれるあなたを信じたい。
私も年齢を重ねたら「赤ちゃんかわいいねぇ」を言える、おばあちゃんになろうと思います。